人事部門の課題は自ら設定する場合もありますが、より複雑な課題を経営の視点で与えられることが多く見らます。そのような課題にどのようにアプローチしていくかここでいくつかご紹介したいと思います。

Q. 経営から、若手社員の定着率向上や、世代を問わず働きがいを感じられる会社づくりを求められているが、人事として何から着手すべきですか?

A. 経営と現場の距離が近い企業では、このテーマに対して、いきなり個別施策から入るのは得策ではありません。
若手定着や働きがいといった課題は、表面上は共有されているように見えても、実際には何が本当の要因なのかが十分に整理されていないことがあります。
そのため、施策を先行して導入しても、真の問題に届かず、期待した効果につながらないことがあります。

まず必要なのは、自社において何がエンゲージメントのドライバーになっているのかを見極め、そのドライバーを阻害している事業側のコンテクストを可視化することです。
この段階では、人事データだけでは十分ではありません。人の状態を示す事実と、事業運営や現場マネジメントの実態をあわせて確認し、どこに本当の論点があるのかを整理する必要があります。

Errand Consultingでは、人事課題を個別施策に分解する前に、経営・事業・現場を含めて課題の構造を整理し、どこから着手すべきかを明らかにします。


A. 機能分化が進んだ組織では、若手定着、キャリア形成、マネジメント強化、エンゲージメント向上といったテーマごとに個別施策を設計・実行すること自体は可能です。
実際、大企業では対象層ごとの課題に応じて施策を打ち分けることに一定の合理性があります。

ただし重要なのは、個別施策を並べる前に、それぞれの課題がどの事業コンテクストと結びついているのかを整理することです。離職率、異動傾向、評価結果、エンゲージメント調査、登用状況などのデータを確認すれば、課題の所在はある程度見えてきます。
しかし、それだけでは、なぜその状態が生じているのか、事業運営や現場マネジメントの何が影響しているのかまでは見えません。

そのため、まずは対象層ごとのFACTを整理しつつ、同時に事業ごとのマネジメント構造や運営実態を確認し、どの課題が個別施策で対応できるものか、どの課題が事業側の構造に踏み込まなければ解決しないのかを切り分ける必要があります。

Errand Consultingでは、人事課題を制度や施策の問題としてだけではなく、事業運営やマネジメントの文脈とあわせて捉えます。そのうえで、何が組織の活力を支え、何がそれを阻害しているのかを整理し、着手すべき論点を明らかにします。


Q. 人事部門の業務をコア業務に集中させるために、DXを活用してオペレーション業務の工数を削減したいと考えています。システム導入はどのような手順で進めるべきでしょうか?

A. オペレーション業務の工数削減とコア業務への集中は、システム導入だけで実現できるものではありません。
多くの場合、工数が増えている背景には、業務プロセスの重複、権限や役割分担の曖昧さ、例外対応の多さ、制度運用そのものの複雑さといった構造的な要因があります。
そのため、現行業務を整理しないままシステムを導入しても、かえって運用が複雑になったり、期待したほど工数が減らないことがあります。

まず必要なのは、どの業務が本当に削減対象なのか、どの業務は標準化できるのか、どの業務は人事として残すべきコア業務なのかを切り分けることです。
そのうえで、業務プロセス、役割分担、運用ルールを整理し、はじめてシステムに求める要件が明確になります。

Errand Consultingでは、システム選定そのものに入る前に、業務の可視化、役割の再整理、To-Beオペレーティングモデルの設計を通じて、何を仕組みで置き換え、何を人事のコア業務として残すべきかを明らかにします。

Q. 他社の事例を見てHRBPの導入を検討しているが、自社では何を担わせるべきか、どのように配置すべきかがよくわからない。

A. HRBPは、単に人事部門の担当者を事業部門に置けば機能するものではありません。
まず必要なのは、自社において事業部門が人事に何を求めているのか、また人事として何を事業ラインに持ち込むべきなのかを整理することです。

HRBPに期待される役割は、各部門の戦略、組織課題、マネジメントの成熟度によって大きく変わります。
たとえば、人材配置や組織設計への関与が中心となる場合もあれば、マネジメント支援や人材開発の推進が主な役割になる場合もあります。

そのため、導入にあたっては、まず期待役割と優先順位を明確にし、そのうえで、人事部門から配置するのか、事業部門側にHRBP的な役割を持たせるのか、どのような連携体制にするのかを設計する必要があります。

Errand Consultingでは、HRBPを役職名として導入するのではなく、自社の事業運営にとって本当に必要な機能として定義し、役割・配置・連携のあり方を整理します。

Q. 人事部門の企画機能を強化するためにCOEを整備したいが、何から着手すべきかわからない

A. COEの強化は、組織を新設したり役割名を変えたりするだけでは実現できません。
まず必要なのは、自社の人事部門において、どの領域を企画機能として担うべきかを明確にすることです。

報酬、等級、評価、人材開発、タレントマネジメント、HRDXなど、COEが担いうる領域は多岐にわたります。しかし、すべてを一度に整備しようとしても、実際には役割が曖昧になり、事業や現場に対する価値が見えにくくなることがあります。

そのため、まずは経営が人事部門に何を期待しているのか、事業側がどのような支援を必要としているのか、また現行の人事部門がどこまでアカウンタビリティを持つべきかを整理し、優先順位の高い領域から企画機能を定義していく必要があります。

Errand Consultingでは、COEを組織図上の機能として設計するのではなく、自社にとって本当に必要な企画機能として再定義し、役割・領域・事業との接続のあり方を整理します。

Q. 採用を強化したいが、応募が集まらず、現場からはとにかく人を採ってほしいと言われている。何から着手すべきですか?

A. 採用課題が深刻な企業では、媒体やエージェントを増やすといった採用マーケティングの強化や、業務の整理・DX化だけで対応しようとすることが少なくありません。
しかし、採用が機能しない背景には、入社後のオンボーディングとの分断や、人材ニーズが発生した場合に社内異動・外部委託・採用・DX化のどれで対応すべきかという判断基準の不在が重なっていることがあります。

そのため、本来は、採用マーケティング、業務整理、オンボーディング、タレントマネジメントを個別ではなく統合的に捉える必要があります。
Errand Consultingでは、採用を単独の施策ではなく、人事機能全体と要員充足の意思決定の問題として整理し、優先順位を明らかにします。

Q. 人的資本経営への取り組みを強化したいが、人事部門は何から着手すべきですか?

A. 人的資本経営への取り組みを強化する際に、人事部門がまず整えるべきなのは、施策そのものではなく、事業に必要な能力をどの手段で確保し、どう機能させるかという意思決定の基準です。
採用、異動、外部委託、DX化、育成、オンボーディングを個別に考えるのではなく、一つの流れとして接続して捉えることが重要です。

Errand Consultingでは、人的資本経営を開示や制度の問題としてだけでなく、人材充足と組織成果をつなぐ意思決定の問題として整理します。

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